最近、顧問先の経営者から「まさか自分が詐欺被害に遭うとは…」という相談を受けました。
ニュースで見るだけでは他人事に感じていても、いざ自分や家族に降りかかると、その衝撃は計り知れません。
実際に、2025年上半期だけで特殊詐欺の被害総額は過去最悪の597億円に達しており、もはや誰もが「狙われる側」になり得る状況です。
本記事では、特に被害が深刻化している詐欺手口を5つ厳選し、その具体的な対策までをわかりやすく解説します。
ぜひ、あなた自身と大切な人を守るためにお役立てください。
1. ニセ警察官詐欺(特殊詐欺)
被害状況の概要
2025年上半期の特殊詐欺被害は13,213件、被害総額は約597億円。そのうち約65%にあたる約390億円が「ニセ警察官詐欺」でした。
高齢者を中心に全国的な被害が広がっています。
手口と特徴
警察官や金融庁の職員を名乗る犯人が「あなたの口座が詐欺に使われている」と言い、キャッシュカードを回収しようとします。
偽の制服や職員証を用いるなど、演出の巧妙さも特徴です。
対策ポイント
・本物の警察や金融機関がカードを預かることは絶対にありません。
・電話で不審な話があったら一旦切り、公式番号に自分でかけ直しましょう。
・高齢の家族には「電話でお金やカードの話が出たら詐欺」と日頃から共有を。
実は、私も同じ手口の電話がかかってきました。この電話がかかってくる数日前にYouTube動画で注意喚起していたものを見ていたので、「あっ!」と気づくことができました。
電話口では、〇〇県警の捜査第二課の〇〇ですと言っていました。
怪しいと思ったので、色々質問をしたら電話が切れたので被害にあることはありませんでしたが、突然電話がかかってくると動揺してしまいます。
2. 自動音声ガイダンス付き詐欺
被害状況の概要
「この電話は◯時間後に使えなくなります」などの自動音声から始まり、警察官を名乗る人物に転送される詐欺が急増中。
特に高齢者やスマホを使わない固定電話利用者がターゲットにされています。
手口と特徴
自動音声で危機感をあおり、後に警察官を装った人物が「口座の安全確認」などと称して現金やカードをだまし取る流れです。
権威と緊急性を組み合わせた手口が特徴です。
対策ポイント
・公的機関が自動音声で個人に連絡をすることはありません。
・電話で不安を感じたらすぐに切って、家族や警察に相談を。
・留守番電話設定やナンバーディスプレイの活用も有効です。
実は、これも私の実体験です。
電話に出ると、本当に「この電話は◯時間後に使えなくなります」と自動音声が流れ、アナウンス通りに進めると男性の声で「NTTのものです」と名乗る人物につながりました。
怪しいと思ったので、正式な会社名を聞くと「NTT本社です」と言うので詳しく聞くと、電話がきれました。
※NTTは日本電子電話株式会社が正式な名称で、2025年7月1日から、NTTに変更されました。
電話がかかって来たときは2025年6月だったので、NTTに変わる前だったので気が付きましたが、今かかってくると騙されていた可能性があります。
3. SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺
被害状況の概要
2025年上半期だけで5,345件の被害、被害総額は約590億円。
SNSやマッチングアプリを通じて信頼関係を築いた上で詐欺へ誘導される手口が増加しています。
手口と特徴
親しげなやりとりの中で「儲かる投資話」や「特別な情報」を持ちかけられ、信じ込ませて資金をだまし取ります。
偽の投資アプリやロマンス詐欺が併用されることもあります。
対策ポイント
・SNSで知り合った人からの投資話や金銭の話はすべて詐欺と疑ってください。
・少しでも不安があれば、必ず家族や専門家に相談を。
・プライバシー設定やブロック機能の活用を習慣に。
ロマンス詐欺はたまに聞きますが、私の身近では被害にあった相談等はありません。
4. ボイスフィッシング詐欺(ハイブリッド型詐欺)
被害状況の概要
電話で個人情報を聞き出し、その後フィッシングメールへ誘導。
不正送金や口座の乗っ取り被害が多発しており、銀行でも検知が難しい新型詐欺です。
手口と特徴
銀行や企業のふりをして電話をかけ、「本人確認」としてメールアドレスを取得。
その後、偽のメールで偽サイトへ誘導し、IDやパスワードを入力させて情報を盗みます。
対策ポイント
・正規の企業が電話でログイン情報を尋ねることは絶対にありません。
・メールのリンクは使わず、公式サイトやアプリからアクセスを。
・二段階認証を導入しておくと被害を防ぎやすくなります。
手口が巧妙化し見極めるのが難しいですね。本当に怖いです。
5. サポート詐欺(遠隔操作詐欺)
被害状況の概要
突然「ウイルスに感染しました」という警告画面が表示され、そこから偽のサポートに誘導される手口。
遠隔操作でネットバンキングにアクセスされ、金銭が引き出される被害が深刻化しています。
手口と特徴
画面上の警告に記載された電話番号に連絡すると、偽のサポート担当者が「遠隔操作が必要」と誘導。
TeamViewerなどのソフトを入れさせて操作を乗っ取り、口座から送金されます。
対策ポイント
・警告画面は無視し、再起動やブラウザの終了で対処を。
・サポート窓口の番号は、必ず公式サイトで確認しましょう。
・すでに遠隔ソフトを入れてしまった場合は、速やかに電源を切り、警察または専門家に相談を。
これは、顧問先の経営者から被害にあったと相談を受けました。
この時は、多額のiTuneカードを購入させ、カードの番号を写真で送らせる手口だったようです。
警察に被害届をだしたものの、解決は難しいと言われたそうです。
これ以外にもたくさんあるようで、知り合いの経営者から聞いたのは、
副業を装い、 「いいね!」や「スタンプ送信」などをさせるタスク型副業詐欺でした。
「動画や商品にいいねを押すだけ」「1日数千円稼げる」と誘い、練習では少額報酬が得られます。
しかし、最終的には高額な参加費を請求されたり、タスクでミスをすれば、賠償金を請求して口座への入金をさせる手口のようです。
おわりに、「知っていれば防げた」をなくすために
詐欺は年々巧妙化しており、だれもが被害者になり得ます。
特に高齢の家族やITに不慣れな方ほど狙われやすいため、「知識の共有」が最大の防御策だと私は思います。
この記事を読んで「これは危ないかも…」と感じたら、ぜひご家族や知人にもシェアしてください。
詐欺は一人では防げません。身近な人の“気付き”が、被害を未然に防ぐ力になります。