そんなふうに思っていませんか?
とくに「一人社長」「小規模経営」の場合、銀行が見ているのはもっと“生々しい部分”です。
2. 試算表は“信用の物差し”。毎月の数字が未来を左右するが命!
3. 借入は「タイミング」が9割!資金繰りに追われる前に
「でも本当はめちゃくちゃ重要な3つの視点」
についてお話しします。
1. 銀行は“社長の目”を見ている。人柄・覚悟・誠実さが問われる
まず、最初に知っておいていただきたいのは、
「社長=会社」という評価構造です。
特に一人社長や小規模企業では、社長の考え方や経営姿勢がそのまま会社の将来性に直結すると見られます。
つまり、社長の受け答えや熱量、さらには身なりや表情まで、すべてが“審査対象”なのです。
実際にこんなケースがありました。
ある不動産業の社長さん。決算はギリギリ黒字。
しかし、新しい融資を申し込むと、なぜか審査が難航…。
その理由は「社長の受け答えが要領を得なかった」でした。
「なんとなく必要」「まぁ、あったほうがいいから」
といった曖昧な説明では、銀行も稟議を通せません。
重要なのは、「この社長なら安心して貸せる」
と思わせること。金額ではなく“信頼”が審査の本質です。
銀行が見ているのは、書類の先にいる“人”。
社長が「このお金でこういう未来をつくるんです」と、目を見て説明できるか。それが最初のポイントです。
2. 試算表は“信用の物差し”。毎月の数字が未来を左右するが命!
「月次試算表なんて、出せと言われてから作ればいい」
そう思っていると、いざという時に痛い目を見ます。
銀行が融資を判断するうえで、試算表は“今を映す鏡”です。
決算書は1年前の話。試算表こそが「今どうなっているのか」を示す唯一の資料です。
たとえば、
・最近の売上はどうか?
・利益は出ているか?
・人件費は増えていないか?
それらの情報をリアルタイムで把握できているかどうかで、
「管理能力」と「経営力」が評価されます。
私の顧問先では、月初の3日までに資料を預り、10日までには先月分の試算表を提出しています。
その姿勢に感心した銀行担当者が、数百万円の融資を即決したこともあります。
一方で、
「えーと…ちょっと税理士に聞いてみないとわかりません」
では、信頼されません。
つまり、試算表の有無がそのまま会社の“透明度”と見なされているのです。
しかも最近では、クラウド会計などで数字をすぐに出せる環境も整っています。
試算表は単なる書類ではなく、「金融機関との共通言語」なのです。
3. 借入は「タイミング」が9割!資金繰りに追われる前に
ここが最も見落とされがちな視点です。
「もう資金が足りない。なんとかならないか?」
と銀行に駆け込んでも、答えはシビアです。
銀行は「余裕のあるうちに相談してくれる社長」を信用します。
なぜなら、借りたお金の使途も、返済計画も、余裕があるからこそ組み立てられるからです。
たとえば、こんな違いがあります:
A社:資金繰りが逼迫してから駆け込む
→ 審査に時間がかかり、結局間に合わず断念✕
B社:3か月後の資金不足を見越して相談
→ 事前に準備した事業計画書が評価され、スムーズに実行◯
後者のように、“先読み”ができる経営者はそれだけで「安心材料」と見なされます。
さらに、借入希望額が妥当かどうかを示す
「資金繰り表」や「返済計画」などが整っていれば、
それは銀行にとっての“稟議資料”になります。
融資のタイミングは、思い立ってからでは遅い。
むしろ「今は余裕があるけど、半年後が心配」というときこそが、動くべき時です。
まとめ:小さな会社ほど“社長の見せ方”が勝負を分ける
一人社長や小さな会社では、融資審査において「社長そのもの」が見られます。
・どんな考え方で経営しているか
・数字をどれくらい把握しているか
・資金計画にどれだけ先手を打っているか
これらはすべて、「社長の姿勢」として受け取られます。
融資を通すには、完璧な数字よりも、
「信頼できる社長」であることが最優先。
だからこそ、試算表を整え、日頃から資金繰りを見える化し、早め早めの相談を心がけること。
それが、あなたの会社にとって最大の“融資対策”になります。
次回は「不動産会社が融資を断られる3つの落とし穴」についてお伝えします。